Interview

体験が理想の住まいをつくる積水ハウス総合住宅研究所「納得工房」へ潜入!

将来、長く住み続けることができるマイホームを……と考えているものの、実際のところ、何十年先のことは分からないという読者の方も多いのではないでしょうか。今回、30代の新婚夫婦が家づくりについての見聞を広めるため、住まいの体験型研究施設「納得工房」を訪れました。

住ムフムラボ

今回、訪れた結婚1年目の山田さん夫婦。理想の住まいに夫は美しい景色が見える大きな窓、妻はお洒落なインテリアを求めています。訪問後、住まいに求めるものはどうかわるのか……!?

そもそも「納得工房」とはどんな施設?

住ムフムラボ

近鉄京都線・高の原駅から車で5分ほどの場所に、積水ハウス総合住宅研究所があります。

積水ハウス30周年に、研究開発の拠点として誕生したのが積水ハウス総合住宅研究所。その総合住宅研究所の中に、開かれた体験型研究施設「納得工房」があり、様々な体験を通して、理想の住まいが発見できる施設になっています。

住ムフムラボ

「納得工房」は、4階建ての構造。各フロアごとで様々な暮らしや住まいへの理解を深めることができます。
4階では住まいの性能・構造を中心とした、家とは何かという大きな枠組みを理解できるように。3階ではさらに家の中へと進み、収納や生涯住宅という観点から家についての学びを深めることができます。そして2階はキッチンまわりに関する設備から、防災や防犯といったテーマ。1階は住まいのコーディネートを考えられる場所で、レストランや打ち合わせスペースも設けています。

今回、「納得工房」運営グループのグループリーダーを務める大谷康則さんに施設内をアテンドしてもらいながら、積水ハウスの家づくりについてお話を伺いました。

住ムフムラボ

大谷さんは一級建築士でもあり、元々、内装システムやシロアリ対策について研究を行っていた研究者です。

大谷さん

大谷さん

「納得工房」へようこそ。当館の施設長を務める大谷です。
今日はよろしくお願いします!

山田さん

山田さん

積水ハウスさんが住まいの研究所を持っているということを初めて知りました。いったいどのような研究をされているのですか?

大谷さん

大谷さん

積水ハウス総合住宅研究所では、住宅の性能・構造といったハード面から、幸せな暮らしのあり様といったソフト面まで、様々な研究を行っています。

山田さん

山田さん

積水ハウスさんは、住まいに関する研究をいつ頃から始められたのですか?<br>
個人的には、大谷さんのシロアリ対策の研究が気になります…!

大谷さん

大谷さん

研究自体は積水ハウスが誕生した時からスタートしています。こちらの研究施設は、当社設立30周年に合わせ、それまで様々な場所で行っていた研究をひとつの場所に集約させるという意味も含めて誕生しました。
ちなみにシロアリは、実際に「納得工房」で見ることができますよ!

山田さん

山田さん

設立から30年…。今の僕たちのような世代と親世代の方では、住まいに求めるものが違うように感じます。現在に至るまで積水ハウスさんの研究内容にどのような変化があったのか気になります。

大谷さん

大谷さん

山田さんが仰るように、研究内容は時代の変化に合わせて、常に進化・発展しています。積水ハウスは誕生して60年が経ちますが、当初は安心・安全が第一でした。しかし当社も含め、住宅に関わる業界全体が進化をしていき、生活者の方が求められるステージが変わっていきました。
現在、当社においては、いかに住まいや暮らしの中で「幸せ」を感じていただけるかがテーマになっています。

山田さん

山田さん

確かに今の時代、人それぞれ「幸せ」という定義が多様化しているように感じますね。
「納得工房」は、京都の木津川市という郊外で少し訪れにくいロケーションですが、真剣に「家」に向き合う人がいらっしゃる場所なのでしょうか?

大谷さん

大谷さん

そうですよね(笑)。比較的訪れにくいロケーションで、完全予約制。少しハードルが高いかもしれませんが、ありがたいことに2021年で来場者100万人を突破する見込みです。

来場者は、積水ハウスの家づくりに興味のある30〜40代の方や、老後のセカンドステージをどう暮らすかを考えはじめる60代の方など、幅広い方々にご来場いただいていますよ。

その他では、建築学科のように専門的な研究をされる大学生や、住宅の移り変わりを学ぶ中高生の課外授業の場としても利用していただいています。

住ムフムラボ

住宅のユニバーサルデザインのコーナーでは、年齢差や個人差による身体機能の違いについて学ぶこともできます。

山田さん

山田さん

へぇ!社会見学のような形で利用されるケースもあるのですね。

大谷さん

大谷さん

ええ、学生の皆さんに利用していただけるのは、この「納得工房」が積水ハウスのセールス拠点ではなく、住まいや暮らしに関する学びの場になっているからだと思います。見学者によって、施設の使い方や案内のコースを変えているのもこの施設の魅力の一つだと考えています。

山田さん

山田さん

正直、積水ハウスさんの住宅に関するショールームのような施設だと思っていました…。

大谷さん

大谷さん

そう思われる方も多いですよね。ここに来てしまったら、積水ハウスで家を建てなければ……なんて(笑)。

この「納得工房」は、安心・安全・快適、そして幸せな暮らしのために、お客様一人ひとり異なるこだわりや大事にしたい場所に気づいてもらうための施設です。
図面やモデルルームでは見えてこない、住まいと暮らしの幸せなポイントを発見していただければ、この施設の目的は達成されているのです。

楽しみながら回ってもらえると思いますので、さっそく施設をご案内いたしましょう!

住ムフムラボ


ウワッ! が満載。知られざる「家」のおもしろさ

大谷さん

大谷さん

最初に体験していただくのが、性能・構造ゾーンのサッシの性能です。過去と現在で窓の性能も大きく変化しました。紫外線カットはもちろん、断熱性や遮熱性の向上を体験していただけます。

住ムフムラボ

ガラス越しに差し込む夏の日射を再現。遮熱断熱ガラスの性能や、庇(ひさし)による遮熱の効果が体感できます。

山田さん

山田さん

全然違う! こんなに夏の日差しって強いんですね。

大谷さん

大谷さん

そうなんです。体験していただいた方はみんな驚きますね。断熱性能を考える上で、意外と窓って大事なんですよ!

住ムフムラボ

気温5℃の冬場を再現した部屋では、昭和55年と現在その時々の基準となる断熱性能の空間で、体感温度を比較することができます。

山田さん

山田さん

壁や床材の影響はあるだろうと思ってましたが、窓が大きく影響しているとは知りませんでした……。

大谷さん

大谷さん

気づきがあってなによりです(笑)。
続いては家の構造について実際に確認していただきましょう。鉄骨造と木造の違いはもちろん、振動台を使って、耐震・免震構造の家との揺れの違いをご確認ください。

住ムフムラボ

振動台の模型や耐震構造の実物などに触れ、住まいの地震対策について正しい知識を学ぶことができます。

山田さん

山田さん

えっ……!? 2階建てでもこんなに揺れるんですね? タワーマンションのほうが揺れると思ってました。

大谷さん

大谷さん

地震による揺れは、建物の高さにも関係しますが、地震の特性によっては2階建てでもこんなに揺れるんです。びっくりしたでしょう!
土地の状態でも変わりますし、その土地にどのような施工を行うかも重要だと気づいていただけましたか?

住ムフムラボ

性能・構造ゾーンでは、耐震構造や制震構造の仕組みなどをわかりやすく展示しています。

山田さん

山田さん

今まで構造さえしっかりしていればと思っていましたが、大事なポイントはたくさんあるんですね。

大谷さん

大谷さん

次の生涯住宅ゾーンでは、加齢による変化を擬似体感していただきます。住宅内での心地よさは年齢とともに変わっていきます。それを老化体験を通じて感じていただきたいと思います。

住ムフムラボ

特殊な装具を使って老化現象や妊婦の擬似体験ができます。

山田さん

山田さん

ひざが曲がらないし、歩きにくい……。靴の脱ぎ履きも、これはひと苦労ですね……。

住ムフムラボ

「何気ない動作の大変さが身に染みます…」と山田さん。

大谷さん

大谷さん

家を建てる時点では手すりが不必要であっても、年齢を重ねて必要になることもあります。今はなくても将来的に必要になると気付いてもらい、その備えをしておくことで一生を通じて誰もが「いつも今が快適」な住まいになるのです。 例えば、手すりについては、あらかじめ下地を入れておくと、比較的簡単に後で取り付けることができますよ。

住ムフムラボ 住ムフムラボ

妊婦がお風呂の浴槽に入る動作を擬似体験。「妊婦さんは足元が見えないなんて知らなかったです……。」と山田さん。

山田さん

山田さん

女性の大変さがよくわかります…。子どもができる前に家を建てるなら、この部分は大事ですね。

大谷さん

大谷さん

奥さまの気持ちを理解してあげる一つの機会になれば幸いです(笑)。

意外と通路幅に関してもみなさん関心がないところです。一般的には「尺」を住まいの基準寸法として設計することが多いのですが、当社はメーターモジュールといって「m」を基準寸法として設計されているので、通路幅も少し広くなっています。
スマートユニバーサルデザインと称していますが、日本人の体型の変化に合わせ、いかに安全で心地良く、使いやすい家になるかという視点で設計しています。

住ムフムラボ

通路幅を調整できる廊下を使って、車いす使用時の使い勝手や日常行為のしやすさを体験することができます。

心地よさは人それぞれ。だれもが幸せになるために

大谷さん

大谷さん

次は照明計画について考えてみたいと思います。照明計画は、多くの方が重視される部分だと思いますが、部屋の印象や雰囲気を変えてくれる大切なポイントになります。

住ムフムラボ

照明ゾーンでは、食事や本を読む時など、暮らしに寄り添う照明計画の体験ができます。

山田さん

山田さん

照明の少しの違いで、食事が美味しそうに見えたり、本の文字の見え方が大きく変わりますね!

大谷さん

大谷さん

ここでは、間接照明やペンダントライトの取り入れ方など、様々なシーンに合わせた照明を体感できる場所になります。過ごし方や生活リズムに合わせ、それぞれの方にあった理想の照明計画に気付いていただけるようにしています。

住ムフムラボ

複数の器具や光源の組み合わせを変えて、部屋の雰囲気の移り変わりを体感。


住ムフムラボ

室内外に一体感を生む屋外照明。リラクゼーションや癒しの効果を得るための多彩な照明設計も可能です。

山田さん

山田さん

引っ越し先で一番最後になりがちな照明ですが、これだけシミュレーションができれば家づくりも楽しい!

大谷さん

大谷さん

リラックス空間のつながりでいうと、同フロアのアクアランドソーンには、様々な浴室スタイルをご用意。浴空間に求めるものは何かなど、ご自身が浴室に入ることで発見できることは多いと思います。

住ムフムラボ

アクアランドゾーンの入り口は銭湯風に。


住ムフムラボ

理想の入浴スタイルは、人によって、また日によっても変わるもの。自分の入浴スタイルにあった浴室を発見していただけます。

山田さん

山田さん

バスタブだけだと体が伸ばせるかだけですが、ここでは浴室全体で考えることができるので、求める雰囲気や感じる心地よさの細部まで分かるのが嬉しいですね!

大谷さん

大谷さん

そろそろ家に対する意識やこだわりが見えてきましたか?
次はキッチンコーナー。ここは2度、3度と訪れ、じっくり時間をかけて吟味される女性の方が多いですよ。

住ムフムラボ

山田さん

山田さん

シンクだけじゃなく、棚上収納の高さまで変えられるんですね!
うわっ、キッチン空間の通路幅まで変えられるんですか!?

住ムフムラボ

可動式の通路やカウンターを動かしながら、作業しやすい広さをチェックできます。

大谷さん

大谷さん

図面ではわからない圧迫感や使いやすさを体感してもらえることから、このゾーンだけを何度も訪れてくださる方も多いですね。

作業のしやすさだけでなく、キッチン空間に対する好みも人それぞれですので、自分自身に合ったキッチンの形を見つけていただく展示も用意しています。

住ムフムラボ 住ムフムラボ

アイランドキッチンやL型キッチンなど、ご家族の暮らし方や調理・食事のスタイルに合わせたキッチン空間のシミュレーションができます。

山田さん

山田さん

IKEAみたいでわかりやすいですね!

大谷さん

大谷さん

今回は少しボリュームが多くなりましたが、人気のあるコーナーをピックアップし、90分ほどで、専属のスタッフがご案内します。気になる部分や知りたい場所は、2回目の来訪でゆっくりと時間をかけて体験していただくことにしています。

住ムフムラボ

体感した結果、二人の住まいの幸せは?

大谷さん

大谷さん

体験を終えてみていかがでしたか?ちょっと疲れちゃいましたか?(笑)

山田さん

山田さん

私は楽しかった!自分がいかに家に対しての意識が低かったか…。(笑)
構造はもちろん、キッチンや照明、収納など自分たちで選べることが多いという現実に驚きました。元々マンション育ちだったこともあって、マイホームは買えたらいいなぁ……くらいな夢でしたが、ここまでリアルに触れて体験できたことで、…欲しいぞ! と意識が変わっちゃいましたね。

大谷さん

大谷さん

今回、ご紹介できなかったコーディネーションゾーンや防犯ゾーンなど、まだまだ楽しい展示・体験をご用意しています。ぜひ何度もご来場くださいね。旦那さまはいかがでしたか?

山田さん

山田さん

僕は、両親を連れてきたいなと思いました。大谷さんも仰っていましたが、戸建てだけじゃなく、マンション購入時やリフォームの参考にもなりますよね。家を買ってからあれこれする前にぜひ、ですね。

大谷さん

大谷さん

そう言っていただると嬉しいですね。
「納得工房」としては、当社の研究結果をより多くの人に還元できるようにしていくことが大事だと考えています。そして、これからも来場されたみなさまの理想の住まいとは何かをよりわかりやすく、実体験して気付いていただけるように進化を続けていかなければいけません。

日本の住まいと暮らしの幸せを育んでいく。大きなテーマになりましたが、その基盤となるような施設として利用されるようにしていきたいと考えています。

施設情報
積水ハウス総合住宅研究所 納得工房
〒619-0224 京都府木津川市兜台6-6-4
TEL:0120-710925(フリーコール)
「納得工房」公式サイト:https://www.sekisuihouse.com/nattoku/koubou/

  • 大谷 康則

    大谷 康則

    一級建築士。納得工房運営グループ・グループリーダー。

    一級建築士。納得工房運営グループ・グループリーダー。

  • 企画編集:太田 孟(合同会社バンクトゥ)
    取材・文:土橋 健司
    写真:岡本 佳樹

Sumufumu lab Citizen Science

ともに考え、発見する。

「住ムフムラボ」では、研究メンバー制度をご用意しています。
研究メンバー同士でコミュニケーションをとり合って、
「自分らしい、より豊かなくらし」について考えましょう。

新規研究メンバー募集