新型コロナウイルスをきっかけに、テレワークや在宅勤務が急増。住ムフムラボでは、これからの働き方や働く環境の在り方について考えるために、元祖ノマドワーク提唱者である安藤美冬さんをゲストにお招きし、トークセッションを開催しました。
本記事では、2020年の9月に行われたトークセッションの模様をダイジェスト動画と、イベントの書き起こし記事でお届けします!
ー本日のゲストをご紹介します。新しい働き方のパイオニアである安藤美冬さんです。よろしくお願いします。

安藤さん
よろしくお願いします。
ー本日は「どこでもオフィスに。私の働き方改革」をテーマに、色々とお伺いしたいです。新型コロナウイルスをきっかけにして、テレワークや在宅勤務が進みましたよね。

安藤さん
数年前までテレワークがこれだけ一般的になるとは考えられなかったですよね!
ー一気にワークスタイルが変わりましたが、安藤さんは「ノマドワーク」の元祖と言われていますよね。

安藤さん
自称ではないんですが、2010年ぐらいからネットを中心に「場所にとらわれない働き方」を実践してきました。それをSNSを通じて発信をしてきて、もう約10年くらいになりますね。
今のワークスタイルになったきっかけ
ーそのようなワークスタイルになったきっかけは、何だったんでしょうか。

安藤さん
元々、出版社でオフィスワーカーをしていたんですよ。
その会社は、自由な社風だったので、外で仕事をすることが認められていたり、会社の許せる範囲で自由に過ごせましたが、デスクに戻らないと資料が手元にないから仕事ができないとか、書類にハンコ押してもらうのに、出社しなきゃいけなかったり…当時からそんな働き方に対して些細な疑問を持っていました。
私は、もっと自由に働きたいという欲求があったので、会社を辞める時、旅をするように場所を選べる仕事って何だろう?と考えました。「どう働くか?(HOW)」が重要なポイントになりましたね。
日本の働き方だと「何の職種・企業で働くか?(WHAT)」が大切にされてますよね。でも私の場合は「HOW」が一番大切だということに気付いたんです。
ーなるほど。「HOW」が出発点だったんですね。

安藤さん
そうですね。そこからパソコンやスマートフォンひとつでできる仕事って何だろう?何かのコンサルや、アドバイザー的なことはできそうだなぁ…みたいにどんどん想像が膨らませて、今のワークスタイルが始まりました。
「どう働くか?(HOW)」は自分にとって働き方だけではなくて、暮らしや、生き方にも当てはまると思います。
ー今は「テレワーク」や「ワーケーション」ていう言葉が生まれたり、多様なワークスタイルが選択できる時代ですよね。その中で自分のライフスタイルに合ったワークスタイルを選ぶコツはありますか?

安藤さん
今の日本の現状からすると「テレワーク」や「ワケーション」ができる職種は限りれていまますよね。販売や接客という職種は、どうしても目の前にお客さんがいてこそ成り立つ仕事ですから。
なので、今やっている仕事は少し脇に置いて、自分にとって一番大切な「HOW」を探すことがポイントだと思います。
私は「旅をしたい」や「もっと自由に働きたい」とか、一つの仕事に特化するプロフェッショナルというより、バリエーション豊かに肩書きを決めない働き方をしたいと考えていました。
ー自分にとって一番大事なものが何かを気付くことって難しいと思いますが…

安藤さん
年代問わず、自分の好きなことが分からないっていう質問をされる方は多いですね。でも意外と「不満」は明快だったりするんですよ。
例えば、満員電車がキライとか、子供との時間をもっと増やしたいなど…。あるいは住環境を整えて心地良く仕事に向き合いたいとかも。そうやって不満から探してみると、人によっては「HOW」を見つけやすいのかもしれませんね。
心地よく働くコツって?
ー働く環境や場所が多様化する中で、ご自身の経験から快適に心地良く働くポイントやコツはありますか?

安藤さん
まず、お気に入りのカフェなど、自分が心地良いと感じる場所で働いてみることではないでしょうか。
自宅の場合だと「家の中で気に入ってるスポット」で働いてみるのが一番だと思います。
人によっては、ベッドの上で寝転がった方が快適かもしれませんし、家族が一緒にご飯を食べるダイニングテーブルかもしれない。
また自分の家はパーソナルな空間だからこそ、自分自身で快適になるようにカスタマイズできますよね。
私の場合、アロマを焚いたりしています。あとコーヒーを淹れたり、スイーツを準備したりして、とにかく楽しむことが一番大切ですね。オフィスで、そういうことはなかなかできないですから。
ーいつもよく使っているアイテムはありますか?

安藤さん
自宅だとディフューザーを使いますね。カフェ、コワーキングスペースの外では「ポケットアロマ」を使ったりします。お気に入りのコーヒーを持ち込んだりもしますよ。
ーいかに快適にお仕事をするかということですよね。

安藤さん
そうですね。自宅で働ける時代だからこそ、自分にとって、あるいは家族にとって心地良い働き方を模索できます。それって本当に大袈裟な話ではなく、人類がずっと望んできたことだと思うんですね。
働き方改革とか、コロナとか大変だなぁ…って思うかもしれないけど、私は働く日本人にとっての大きなチャンスだと思っています。
ーそうやって快適に仕事してるとパフォーマンスも上がっていきそうですよね。

安藤さん
働き方を楽しむことで、アイデアも生まれてくるし、やる気が満ち溢れてきたりします。快適な環境は、自分の工夫次第で作れるということです。
仕事とプライベートを分けようという考え方で「ワークライフバランス」という言葉がありますが、私は「ワークライフブレンド」だと思うんです。仕事とプライベートのオンとオフを分けない考え方です。
行きたいと思っていたカフェやテレビで特集されていた旅館で仕事するのも、ある意味ではプライベートで自分の欲求を仕事で満たすってことでもありますよね。
どうしても分けたい方はそれも全然良いと思うけど、ストレスがかかる方は分けない働き方でも良いと思います。
ーなるほど。安藤さんはご自宅でお仕事をなさる時はどういった環境なんでしょうか?

安藤さん
コーヒーやアロマだったり、私にとって集中力が上がったり気分が上がるものを揃えるだけではなくて、座りやすい椅子をいくつか試してみたり、パソコンの最新機器もできるだけチェックしてます。自分の生活環境に欠かせないものは、常にアップデートするようにしていますね。
あとは照明がポイント。オフィスの蛍光灯と比べて、自宅は暗くなりがちなので、デスクに照明を入れる工夫も必要かなと思います。
ーそういった変化に合わせて、設備を整えていくと、よりお家の仕事も捗りそうですね。安藤さんのご自宅のこだわり空間とか、気に入っている場所はあるんですか?

安藤さん
私の場合、原稿作業で詰まったときに散歩できる公園や、カフェが近くあります。家の中だけでなく、周辺の環境も含めて大切にしてますね。「住宅を中心とした周りの住環境」もとても重要だと思います。
安藤さんにとって「幸せな暮らし」とは
ー安藤さんにとって、幸せな暮らしとは何でしょうか。

安藤さん
今回のトークセッションのテーマって「皆さんの働き方改革」ですよね。今の働き方改革ってどうしても政府や企業主体になってしまいますよね。ルールや法整備をどう変えていくかとか…。
それも悪いことではないと思いますが、私たち雇用される側、働く従業員からすると「自分が仕事に喜びをもって向き合える環境」の方が大切だと私は思うんです。それが本当にすべてを決めると思っています。
それを10年間「ノマドワーカー」としてずっと向き合ってきた私の結論一つが、「一人一人が自分の幸せと正直に向き合うこと」なんです。
冒頭に「HOW」から働き方を考えようという風に申し上げましたけれど、何も働く形だけじゃないんです。働き方も含めて、皆さんの人生にとって、いったい何をしていれば、どう生きていれば一番幸せなのということに対して、自分に正直になることが大事です。
「家族が」「親が」「世間が」「友達が」「調子が」ではなく、自分を起点に考えることです。
ー自分が起点なんですね。

安藤さん
何も自分のわがまま勝手にしましょうってことではないんです。結局、幸せな個人こそが幸せな仕事ができます。
夫婦も個人、家族も個人ですよね。企業も、社会も、個人の集合体。やっぱり個人が最小単位なんです。自己犠牲とか、世間体とかではなく、個人が幸せに真摯に向き合って、幸せを感じている社会というのが結局一番大切。
なので、そこの問いに本当に向き合っていない人は、たとえ会社を変えたとしても、環境のせいにしてしまうと思います。
ーどんな場所でも自分を見つめることから始まるんですね。幸せな暮らしっていうのは、結局、自分が軸にあることがポイントということですね。

安藤さん
もちろん、気に入った場所に住むとか、家族の良い関係があることも大切です。
でも、それ以前にどんな環境でも幸せを感じることが「最強の個人の在り方」だと私は思います。
ー「自分の内側に幸せを感じられるようになっていく」っていうところですかね。

安藤さん
幸せは獲得するものではなくて、感じるものだと思うんです。
一杯のコーヒーで幸せを感じられたらいいじゃないですか。
「感じる心」や「楽しむ心」が、これからの働き方に大切ではないでしょうか。
ー自分をもっと大事にしてもいいんですね。

安藤さん
そうですね。わがままとは全く違う次元の話です。それに、仕事を楽しんでいる人って、周りに仕事を楽しむ人が集まって来ますから。
一人が楽しんでると、なんだか(周りも一緒につられて)楽しくなる。だから楽しもうとすることは大切だと思います。そういう「柔らかさ」も、これから仕事にはブレンドされてもいいと思います。
ーお話を聞いてると、自分の気持ちをもっと大事にしていいんだなって思いました!
安藤さん、本日はありがとうございました。
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安藤美冬
作家、コメンテーター
InterFM897 番組審議員
日本メンズファッション協会 ベストデビュタントオブザイヤー選考委員
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ オフィシャルサポーター
KLMオランダ航空アンバサダー
1980年生まれ、東京育ち。
著書累計18万部、新しいフリーランス・起業の形をつくった働き方のパイオニア。
慶應義塾大学在学中にオランダ・アムステルダム大学に交換留学を経験。ワークシェアに代表される、働き方の最先端をいく現地で大きな影響を受ける。新卒で(株)集英社に入社、7年目に独立。
本やコラムの執筆をしながら、パソコンとスマートフォンひとつでどこでも働ける自由なノマドワークスタイルを実践中。
KLMオランダ航空、SK-Ⅱ、インテル、アクエリアスなど様々な企業の広告にも出演、働く女性のアイコン的存在である。
「情熱大陸」「NHKスペシャル」出演、「Mr.サンデー」「あさチャン!」コメンテーターを務めるなどメディア出演多数。
最新刊は『新しい世界へ』(光文社)。
公式ブログ:https://ameblo.jp/miffy-andomifuyu/
無料メルマガ(まぐまぐ):https://www.mag2.com/m/0001692344
有料ブックレビューチャンネル『miffyのBook Journey』(音声配信):https://jp.himalaya.com/miffynobookjourney
旅と仕事と学びのサロン『Meetup Lounge』https://community.camp-fire.jp/projects/375999
4月30日最新刊『売れる個人のつくり方』発売!ただいまAmazonで販売中です。
https://is.gd/MScj9FInterFM897 番組審議員
日本メンズファッション協会 ベストデビュタントオブザイヤー選考委員
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ オフィシャルサポーター
KLMオランダ航空アンバサダー
1980年生まれ、東京育ち。
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慶應義塾大学在学中にオランダ・アムステルダム大学に交換留学を経験。ワークシェアに代表される、働き方の最先端をいく現地で大きな影響を受ける。新卒で(株)集英社に入社、7年目に独立。
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