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江 弘毅

江 弘毅/編集者

住まいと街の健全な「交通」が行われてこそ人がハッピーになる、 という街的生活者の住生活充実コラム。今日も「ごきげんなネタ」てんこ盛りで。

第4回 家で音楽を聴く。わたしの場合。

 家ではテレビを見ている時間よりも、音楽を聴いている時間のほうが長い。
 それもBGMとしてではなく、かなりのボリュームで真剣に聴いている。
 それにはもっぱら長年自分で揃えたり買い換えたりしてきたオーディオ機器が活躍している。
 このコラムのタイトル部分の写真を見ていただければ分かるように、家ではオーディオ用アンプを使ってスピーカーを鳴らしている。80年代のサンスイの古いアンプと、スピーカーはもっと古い70年代のJBLの小さなスタジオ・モニター4311Bというヤツだ。

 CDプレーヤーは数年前に買い替えたばかりだ。オーディオの世界では一部で小型化が進んだものの、プレーヤーやアンプやスピーカーなど、基本的に機器としてのデザインはあまり変わっていない。スイッチ、ボリュームといったツマミの具合や基本的操作とかも同様だ。
 パソコンやその周辺の機器は、Macの例でもそうだが、ものすごいスピードでデザインや操作性が変わってきている。それも著しい変貌だ。

 家で聴く音楽の音源はCDとパソコンのiTunes。たまにYou Tubeから音だけを聞いたりもする。
 CDプレーヤーとアンプは常時つないだまま。パソコンとアンプはイヤホンジャックとAUX端子をその都度つないで音を出している。

 当初、パソコンのiTunesからイヤホンジャックを経由したアナログ信号をオーディオ・アンプで増幅することは、なんだか音が悪くなりそうな気がして、パソコンからのデジタル信号をそのままアンプに入力させる方法はないのか、といろいろ調べたり情報を集めたりした。
 結果としてはデジタル信号を実際の音=アナログ信号に変換する、D/Aコンバーターが必要なのだった。このD/Aコンバーターは結構高い。それがネックでとりあえずパソコンのイヤホンジャックから直接アンプにつないでいる。
 イヤホンジャックはイヤホンやヘッドホンをさし込んで音を聴くための装置だと思っていた。You Tubeの動画を見ながら音や声を聴いたりするためのもので、それ専用のヘッドホンも持っている。

 オーディオ機器とつなぐのに、このつなぎかたでいいのだ、と思ったのは、CDとまったく同じ曲をiTunes経由で再生して、音の違いが感じられなかったこと。それとジャズバーやラテン音楽をかけるイタリア料理店をやっている知人たちが、長年イヤホンジャック~AUX端子の方法で「音の店」をやっているのを知ったからだ。

 音に凝りだすと、スピーカーやアンプやCDプレーヤーといったオーディオ機器自体はもちろん、ケーブルや電源のコンセントまで気を(もちろんカネも)遣ったりすることは、この連載の1回目にちらっと書いた。

 けれどもパソコンのイヤホンジャックに直接イヤホンのプラグをさし込んで、音楽を聴くのと同じイージーなやり方でもって、1本1,000円もしないピンプラグのコードでアンプにつないで、スタジオ・モニターのスピーカーからパット・メセニーやキース・ジャレットをデカ音で聴くのは、頼りないというかなんだか味気ないような気がする。
 またiTunesを開いて、曲を選んでマウスで▶をクリックするだけの便利さが、どうも面白くないというか簡便すぎる。

 音質は同じはずなのに、どうしてもその都度CDプレーヤーのイジェクトボタンを押し、ジャーッとトレイが出てきて、そこにCDソフトを置いて、またジャーッと元に戻り、プレーボタンを押す。
 基本的にレコード盤をターンテーブルに置いて針を落とす、という音楽を聞く際のそういう「作法のような作業」が身についてしまっているのだろうか。

 しかし考えてみれば、ターンテーブルでレコード盤を回すなんて人は、もはやプロのDJもしくは何百万円もかけたハイエンド・オーディオを有するマニアしかいなくなっている(はずだ)。
 というよりレコード盤というモノ自体がもう稀少なモノになってきている。
 良い音源の良い音は、そういう少々邪魔くさいことをしないと聴けない、という思い込みなのかもしれない。

 パソコンのiTunesの「ミュージック」に入っている音源を、「アーティスト」をワンクリックして並べ替えて一発選曲するよりも、その都度「えーと、どのアルバムの何番目の曲だったかな」と何枚ものCDケースを取りだして、裏の曲目を見てプレーヤーに放り込んで曲をかける方がなんだかしっくりくる。そういうふうにすることが、音楽を聴くカラダに合っているみたいな気がするのだ。
 だからパソコンのiTunesで音楽を聴くよりCD派である。

 ところがそのCDを購入する際は、圧倒的にインターネットつまりパソコン経由の情報である。
 グーグルを検索してAmazonとかHMV ONLINEなどに行き着いて、それでワンクリックで買う。翌日には宅急便で届く。10年前と比べると街のCDショップには行く回数が激減している。何だか横着な気がして「いかんなあ」などと思ったりするが、この便利さは如何ともし難い。
 同じAmazonでダウンロードして音源を買うと即座に聴けるが、これはめったに使うことはない。何だか音質が悪いような気がする。というか音源は具体的な「モノ」なのだと思っている。

 こういうことは、「こだわり」とかの類のことではないと思う。
 いつのまにかそういうふうにカラダが環境設定されてしまっているのだ。

 次回はパソコンについて、とくに家でインターネットをすることについていろいろと考えたい。

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